オプジーボ(ニボルマブ)について

オプジーボ

PD-1抗体

関西の中堅医薬品メーカーである小野薬品工業が15年の歳月を掛けて開発した新規抗癌剤が「オプジーボ」(一般名「ニボルマブ」)です。
何が新規かと言えば、抗癌剤のジャンルで「免疫製剤」となったことで、全く新しい切り口の画期的な新薬と言えます。

薬がどのように働くかを「作用機序」と言いますが、これは後から取って付けた理屈なので本当に正しいかは不明です。簡単に説明すれば、癌細胞に多く発現しているPD-1がT細胞のPD-1リガンドに結合するとT細胞は機能しなくなってしまうのですが、そのPD-1にT細胞が付かなくなるようにさせる、もしくは結合を解き放す抗体薬と言えます。後から取って付けた理屈と言ったのは、臨床試験で、このPD-1が発現していない癌患者にもそれなりに効果が出たからなのです。もちろん、PD-1を発現している人の方が優位に効果がありましたが、PD-1を発現していない人にも少なからず効果が有ったということは別の作用機序もあり得るからです。
何十年も使用しながら作用機序不明の薬もあるくらいですから、薬の開発に従事していない者にとっては作用機序なんてどうでも良いことだと思います。

問題はその効果がどれくらい有って、副作用がどうなのかが使う者にとっては重要だと思いますが、臨床試験で肝機能異常や腎機能障害、敗血症、劇症1型糖尿病、間質性肺炎等で死亡例もありますが、他の抗癌剤より副作用は少ない方です。

切除不能な進行メラノーマで奏効率は26%で従来の治療法が11%と倍以上の開きが有り、進行を抑えられていた患者では使用を継続していれば長期に延命出来る可能性を持つ新薬と言えます。

しかし、問題は切除不能な進行メラノーマ以外には保険適応がありません。
手術で脚を失いたくないからオプジーボを使いたいと云う選択肢はないのです。
また、使用量は体重1Kg当たり20mgを使いますので、体重が多いほど費用は嵩みます。
薬価は20 mg入り150,200円 100 mg入り729,849円ですので、体重が70 Kg の人の場合は140 mg:1,030,249円に点滴費用等が加算されます。
これを2週に1回投与しますから1年間で26回、26,786,474円の薬代が掛かることになります。実際に支払う金額は高額療養費制度で自己負担は収入や年齢に応じて変わります。

このオプジーボは理論的に他の癌でも効果が有るはずです。現在、非小細胞肺癌の臨床試験が海外で行われていますが、いずれも延命効果は高いようです。
ですが、この様に高額な薬剤が日本で非小細胞肺癌に対して素直に保険適応になるかは疑問の余地があります。
日本で新規肺癌の患者数は9万人もいますから、オプジーボで延命が出来れば単純に2兆4000億円の医療費が増えます。その内に半数が延命出来れば、翌年は135,000人分で3兆6,000億円と増えて行き健康保険財政は破綻してしまいます。
その為に使える人の条件は厳しくなると予想されます。

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